CoSTEP関係者,北海道大学の学生等が中心となって北海道大学病院へ出前授業をしています。その活動ノートです。

2007年10月15日月曜日

誰でもどこでも天文学は学べます(仮)の事前宿題

kanamoriさんに書いていただいた第1報から進展しました。
院内学級の先生と相談し、子どもたちに事前の宿題を出すことにしました。

宿題の内容は、
・広辞苑に載っている「天文学」の意味を調べたうえで、


1天文学者はどんな人だと思いますか
2天文学者はどんな生活をしていると思いますか
3天文学者はどんな道具を使うと思いますか
4天文学は生活のどこに活用されていますか

を考えて書いてきましょう、というもの。
それをもとに、授業を展開します。

当日は、近くの中学校のクラスにも同時中継されるのですが、
回線の都合上、2つのクラスの子どもたち同士は音声だけですが、
交流しながら授業をおこなう予定です。

たのしみです。

次回のお話;「誰でもどこでも天文学は学べます」

次回の北大病院,院内学級での出前授業は天文学のお話です。
講師は天文学を学ぶ,ys-11kさん。
10月24日の予定です。
また,院内学級から北辰中学校への中継も予定されています。

今回のホンモノはmitakaというソフトと,トイレットペーパーだそうです。
どうしてトイレットペーパー?
乞うご期待。

以下,ys-11kさんからのお話の素案です。
---

まず、授業コンセプトは「誰でもどこでも天文学は学べます」

この授業の目標は、

・宇宙・天文の世界の認識・天文学者という人の認識(宇宙、天文に対する意識の変化)
・宇宙は自分の身近にあって、望めばどこでも誰でも学ぶことが可能であること

この授業の結果、天文って面白そう、自分でもアクセスできる世界なんだ、
ということが実感できたら成功です。

持ってくる物は、mitakaというソフト、天文トイレットペーパーです。

授業の前段階の仕掛け案としては、
「宇宙」ってなんだか知ってる?
「天文学」と聞いたら、何を思い浮かべる?
「天文学者」って、何をしている人だと思う?
と聞いてみるのがいいのかも知れません。

予想される返答は、

宇宙→行けない、見えない、わからない
天文学→むずかしそう、星座、夜でしかできない
天文学者→毎日望遠鏡にむかっている、夜の仕事、体力勝負

となりそうな気がしています。

#実は、全部違います。
---

実際にどんな話をするか,ただいま鋭意準備中。
お楽しみに!

2007年7月23日月曜日

出前授業「ミジンコ」に行ってきました

本日7月23日、北大院内学級に出前授業に行ってまいりました。
11:15~12:00の45分間で授業を行いました。

参加してくれたのは、
小学生5名(みんな低学年?)
中学生2名
院内学級の先生方
金森さん
です。

今日の「ホンモノ」は
生きた動物です。
ミジンコ(ダフニア・ピュレックス)
オオミジンコ(ダフニア・マグナ)
フサカの幼虫(ミジンコの天敵)
を持っていきました。











動物は、写真のように、ボトルに入れて、
フィルムで封をして持っていきました。
感染の可能性を少しでも軽減しようということで、
水は市販のミネラルウォーターを用い、
容器は70%エタノールで拭きました。
また、ライト付きルーペも5つ持っていきました。

授業は「へんしんの名人 ミジンコのはなし」というタイトルで行いました。
・パワーポイントを使った説明(15分)
 →自己紹介とミジンコ採集の様子、ミジンコの体のつくりや生活史について

・「ホンモノ」のミジンコの観察(10分)

・パワーポイントを使った説明(15分)
 →ミジンコの変身について(捕食者の存在下での形態変化、環境悪化による休眠卵の形成、低酸素条件化でのヘモグロビン生成)

・ワークシートと質問タイム(10分)
 →小学生にはワークシート(添付しました)を使って「ミジンコの変身」を自由に考えてもらいました。
  中学生からは、質問を受け付けました。「ミジンコの食べ物は?」「ミジンコにも性格はあるの?」など。
という流れで行いました。

やはりホンモノの威力は絶大で、
ミジンコが登場した瞬間に教室の空気が変わったと感じました。
キモチワルイといいながらもみんな真剣に観察してくれたのがうれしかったです。
今回は、2種のミジンコを持って行きましたが、特にオオミジンコが大きくてインパクトがあり、人気でした。
途中で観察タイムを儲け、その後も手元にミジンコを置いた状態で授業を続けたので、
私の話に飽きてしまってもミジンコを見ていることができて良かったのではないかと思います。

中学生のみなさんは、ミジンコについて予習してくれていました。
先生方、ありがとうございました。
彼らがどんなことを調べていたのか、どんなことに興味を持っていたのか、もっと良く話しをしてみたかったです。
小学生のみなさんには、ワークシートでミジンコの変身を考えてもらいました。

トゲがたくさん生えていたり、うんちやおならで攻撃など、いろいろな絵を描いてくれました。
あれはあれで楽しかったですが、ワークシートの内容はもうちょっと改善の余地があると感じました。

今日は、私が1人で話すというスタイルで授業を行いました。
質問を挟んだりはしましたが、やはり一方的な感じになってしまったと思います。
話している内容がうまく伝わっているか確認できないまま、次、次と進んでしまったような感覚でした。
今度は、聞き手役をお願いしたり、別のスタイルでも授業をやってみたいです。

皆さんに事前の連絡がほとんどできないまま、授業に行くような形になってしまったこと、申し訳なく思っています。
その結果、上に書いたような反省点が出てきたのだと思います。
次回以降は今回のようなことにならないよう、気をつけていきます。
これに懲りずに応援いただけると幸いです。

また、院内学級の先生方にはいつもどおり暖かく迎えていただき、本当に感謝しています。
先生に、ミジンコ飼育にリベンジしたいと言っていただいたので、何匹か差し上げてきました。
他にも、小学生の男の子で、ミジンコ飼ってみたいという子がいて、私としてはうれしかったです。
今日の授業で、普段目に留めていないような小さな生き物の世界も、なかなか面白いものだ、ということがこども達のなかに残ってく
れたらと思います。

2007年7月19日木曜日

次の授業;ミジンコのはなし

来週,7月23日にミジンコを研究する大学院生,narakiさんが院内学級でミジンコの話をしてくれます。
昨年の様子はこちら。
http://inumimi2.exblog.jp/3903330/

ご本人は先週,採集旅行に行ってきたばかり。
http://inumimi2.exblog.jp/5883265/

わたしたちのコンセプトは“ホンモノ”をもっていくこと。
今回もホンモノのミジンコが授業に登場するのでしょうか。
私(kanamori)は昨年のミジンコの授業にはほとんど関わることが出来なかったのですが,
授業後,院内学級の先生方が大興奮されていたことが印象に残っています。
大人もとりこにする,ミジンコ。
楽しみです。

院内学級のwebsiteもリニューアルされました。
http://genki.iic.hokudai.ac.jp/gakkyu/
積極的にblogを活用して交流できれば,と思っています。

kanamori

2007年6月21日木曜日

ラジオ番組をつくろう!本番

本日、「ラジオ番組をつくろう!」本番に行ってまいりました。少しの不安はあったのですが、参加してくれたみんながノッてくれて、自分としてはうまくいったと思います。たくさんの笑いがあったのが、ほんとにうれしかったです。MVPは、こどもたちと言いたいところですが、今日はアシストをしてくれた清水明士くんです。あなたは、他人の気持ちを持ち上げる天性の才があります。ありがとう。

そして、本番の流れは前に書いたものを少し変化させました。
とくに、導入のところで、自己紹介の時間を作りました。よくワークショップのアイスブレイクで行う、画用紙を使ったワークです。名前とニックネームと好きなたべものを画用紙に書いてもらい、発表してもらいました。このアイデアは、昨日シャワーを浴びているときに思いつきました。これは、初めて出会う子どもたちとの気持ちを縮めるのに効果的だと思いました。もし人数が10人以下であれば、どの出前授業でも使えるのではないでしょうか。

参加者が5人だったのも、幸いしました。というのも、録音してそれを聴くという作業が、時間内にしっかり行えたからです。中学生3人と小学生2人(一年生)という歳の離れたグループでしたが、この授業は勉強というよりも体験でしたので、みんな和気藹々とやってくれました。一年生の二人は、「やだ」とか「めんどくさい」を連発して、大人を困らせるのが好きそうでしたが、先生方の協力や明士くんの絶妙な突っ込みで、とげとげしくならず、常に笑いに満ちた授業で終わることができました。

初めてやった授業としては、御の字だったと思いますが、もう少し教育的なメッセージをはっきりさせた内容にしたり、低学年・高学年向けの授業の使い分けを考えたりしていきたいと思いました。

教員室で先生方とお話したときに感じましたが、僕たちは子どもたちの病気のことや悩みなどをあんまり考えてあげられない「外の人」です。しかし、そういう「外の人」が真剣にこどもたちとやりとりすることで、与えられる刺激は少なくないのかなと思いました。社会評論とかでは、「匿名性」とか言われたりしますが、特定のアイデンティティを一時的に捨て去ったときに表現できる「私」というのは案外大事なものです。それは、たとえばおしゃれして外をあるいたり、外国の街をあるいたり、お店のひとや電車で隣り合ったりしたひとたちとしゃべったりするときの気持ちよさです。しがらみのなさと言ってもいいかもしれません。

メディア・リテラシーの授業(今回のがそう呼べるかどうかは別として)は、院内学級の子どもたちのみならず、いろんな制約とか枠組みに当てはめられてしまっている子どもたちにとって(大人たちも)、新しい自分を表現して発見していく力を育てられるという意味で、可能性を秘めているのはないかなと感じました。中途半端な評論文になってしまいましたが、さらなる詳細はまた追ってご報告します。今日、収録した音源も早めに編集して、こどもたちに届けたいと思っています。

2007/7/20追記[kanamori]
院内学級のwebサイト
http://genki.iic.hokudai.ac.jp/gakkyu/
がblog形式にリニューアルされています。
ラジオ番組の話も紹介していただいています。
http://genki.iic.hokudai.ac.jp/gakkyu/?p=27
参加した子がコメントつけてくれてますよ!

radiradioのサイト
http://radiradio.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/in_b74e.html
とあわせてトラックバックを送ります。

2007年6月9日土曜日

ラジオ番組を作ろう!第二回打ち合わせ&授業案

先日、時間ができたので第二回打ち合わせに行ってきました。

打ち合わせといっても、マックのコンピューターを持っていって、ガレージバンドを開いて、簡単な使い方を教えただけです。先生もウェインドウズ使いならしく、「おもしろそうですねぇ」と興味をもってくれました。

ひとしきり、ガレージバンドで遊んだあと、なにをネタに「ラジオ番組」にしていくかについて少しだけ話し合いました。それをもとに、授業内容のプランを構想してみたのが、こちら。まだまだ粗いままですし、時間も足りてないなぁというところですが、こんな感じで考えています。当日着てくれる方(清水あきし?)と番組を作って、その場で聞いてもらうという案もあります。

=================================

番組名:たべものトーク

内容:2人1組で、食べ物の好き嫌いについて話し合うトーク番組

1つの番組の時間配分:
 導入(20秒)
 好きな食べ物(40秒)
 嫌いな食べ物(40秒)
 まとめ(20秒)
 <最大2分30秒>

授業内容:
 導入
  ・好き嫌いについてメモする(大きく、はっきり書く)
 録音内容の説明(番組にしてもいいかも)
 「聴き手」と「話し手」の説明(黒板を使いながら)
 グループ作り
  ・じゃんけん:勝った方が最初にゲスト役
 録音開始!(余裕があれば、先生も参加)
  ・MAC2台 → 人数が多ければ教室をわけて録音する
  ・8人いれば、2つの教室で(録音3分+入れ替え2分)*4本=20分
 音楽をつけよう
  ・音楽を選ぶ → 時間的に難しいかもしれない
 聞いてみよう 2分30秒*8本=20分
  ・それぞれの番組を聴く
 こどもの感想
 まとめ

準備するもの
 MAC2台(人数が多ければ教室をわけて2台で録音する)
 ストップウォッチ
 カンペ(10秒前、つぎにいってください、まとめ)
 
全体も録音する。そして、それを番組にしてしまう。

==================================

●パーソナリティ:
こんにちは。「たべものトーク」の時間です。
パーソナリティの、●●です。

(この番組、「たべものトーク」では、ゲストといっしょに食べ物の好き嫌いについてお話していきます。)

今日のゲストは、○○さんです。

○○さん、こんにちは。

○ゲスト
こんにちは。

●パーソナリティ:
さて、今日は○○さんの好き嫌いについてお聞きしたいのですが、まず○○さんの好きな食べ物ってなんですか?

○ゲスト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

▼質問してみよう:
どうして好きになったか
どういう食べ方が好きか
どういう時にたべるのが好きか
など

●そうですか。では、次に嫌いな食べ物について聞きたいのですが、○○さんは嫌いな食べ物ってありますか?

○ゲスト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

▼質問してみよう
どうして嫌いなのか
どういうところが嫌いなのか
好きになりたいですか
など

●パーソナリティ:
<まとめや感想>
・○○さんは、==が好きで、--が嫌いでした。
・私も==が嫌いなので、よくわかりました。

さて、今日の「たべものトーク」のゲストは○○さんでした。
○○さん、ありがとうございました。

===================================

2007年6月1日金曜日

打ち合わせ for 「ラジオ番組を作ろう」

今日は、3時半から30~40分ほど院内学級職員室で打ち合わせをしてきました。

いろいろアイデアはあったのですが、
低学年の子どもたちが多いということでしたので、
とにかく短いラジオ番組を楽しく作って、聞いて、ふりかえる。
という授業をしようということになりました。

次回の出前授業は、「ラジオ番組を作ろう」で、
6月21日(木)13:00~13:45
の予定です

参加予定人数は6~7人です。

録音から編集まで一台で行える、
MACのガレージ・バンドが活躍する予定です。
http://www.apple.com/jp/ilife/quicktour/garageband/

私が「導入」→「説明」→「話し合い」→「収録」→「ふりかえり」
の大まかな流れを準備して、あとは子どもたちが楽しく
3~5分ぐらいの番組を作れるようにサポートしていきます。

当日手伝っていただける方(できればガレージ・バンドを使える方)2人ぐらいと
子どもたちがマイクの前でしゃべりやすい「お題」
のアイデアを募集しています。

来週はじめごろまでに、より詳しい進行案を作ります。

子どもたちには、「かがく探検隊コーステップ」も聞いておいて
もらう予定です。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/project/radio/index.php

みなさんからのコメントもお待ちしております。

*もしかしたら、子どもたちの世代にとってはラジオよりもポッドキャストという言葉がスタンダードになるんじゃないかと思ったりしました。感慨深い。

2007年5月31日木曜日

色んな人に活動を知ってもらうために

私たちの出前授業について,色んな人に知ってもらうためにブログを立ち上げてみました。
関係者で共有して記事を投稿したいと考えています。

2007年現在,月に一度のペースで北海道大学病院の院内学級で出前授業をやらせてもらっています。
授業の提供者は最先端のサイエンスに触れている人たち。
そのエキサイティングな部分を「ホンモノ」を通じて入院中の子供たちに伝えます。
入院している子供たちに,通常では味わえない体験をしてもらい元気になってもらうのがねらいです。

授業提供側も,子供たちに専門的なことを伝えるためには色んな工夫が必要です。
オモシロイことやっているんだけど閉じこもりがちな人たちに,
自分の専門を伝えることによって,他と繋がる場を提供します。

言いだしっぺ兼代表
kanamori